正往寺は左京区の寺町通(西寺町通)仁王門上る・正往寺町に位置し、この地名の起源となった浄土宗寺院である。正往寺町という地名は近世以前から当寺の存在によって形成されたと考えられ、455番地から461番地にかけての区画に見性寺・本正寺・清光寺・正念寺など多数の寺院が集積する「寺町」の中心的存在となってきた。
宝永5年(1708年)の大火(宝永の大火)の後、京都市内の多くの寺院が再整備・移転を余儀なくされた。正往寺もこの大火の前後に現在地・正往寺町455番地へ落ち着いたとされる。浄土宗の念仏信仰を中心に、周辺住民の葬祭・法要・先祖供養を担い、東山麓の静かな環境のなかで今日まで法灯を守り続けている。