正念寺は浄土宗の末寺として、左京区西寺町通仁王門上る正往寺町に寺域を構える。正往寺町という地名自体、この一帯に古くから「正往寺」ゆかりの地所が広がっていたことを示しており、清光寺(正往寺町455番地隣接)・本正寺(同458番地)・見性寺(同461番地)など複数の寺院が軒を連ねる「寺町」を形成している。
浄土宗の宗祖・法然上人は「念仏を称えるだけで誰もが救われる」と説き、鎌倉時代に庶民・女性・武士を広く包摂する信仰を広げた。正念寺の「正念」とは、阿弥陀仏への一心の念仏(正定業)を意味し、往生浄土を願う真摯な信仰を端的に表した寺名である。江戸時代から現代に至るまで、東山麓の静かな寺町で壇家の葬祭…