積翠寺は、山梨県甲府市上積翠寺町の要害山麓に位置する寺院である。創建は大永元年(1521年)とされるが、寺の起源については詳細が伝わっていない部分も多い。大永元年、今川・北条連合軍が甲斐国へ侵攻した際、武田信虎はこの地へ退いたとされ、その折に嫡男・晴信(後の武田信玄)が誕生したと伝わる。信玄はここ積翠寺で産湯を使ったとも伝えられ、以来「信玄誕生の地」として広く知られるようになった。戦国期には武田氏の庇護を受けたと考えられるが、武田氏滅亡(1582年)後の経緯については詳細が明らかでない。江戸時代を経て近世に至るまで、甲府盆地を見下ろす翠の山々にちなむ寺号のもと、地域の信仰を集めてきた。近代以降…