柳谷観音(楊谷寺・京都府長岡京市)は弘法大師が約1200年前に開いたとされる眼病平癒の霊場で、大師が霊泉を発見し眼の治癒をもたらしたという伝承が今に語り継がれる。泰聖寺はこの柳谷観音の大阪別院として設けられ、遠く京都まで足を運べない参拝者が大阪でその霊験に与れる場として機能してきた。天王寺区は推古天皇元年(593年)に聖徳太子が四天王寺を創建して以来、大阪随一の寺院街として発展してきた地域で、多くの真言宗・諸宗派の寺院が集積する。摂津国八十八箇所霊場の整備が進んだ文化年間(1804〜1818年)頃、この寺院街を貫く巡礼路が形成され、泰聖寺は第30番札所として加わったとされる。眼病平癒という具体…