水路閣は、明治時代の近代化事業である琵琶湖疏水の一環として建設された煉瓦造りのアーチ橋である。琵琶湖疏水は、滋賀県の琵琶湖から京都市内へ水を引く大規模な土木事業として明治政府が推進し、その設計は工部大学校(現・東京大学工学部)出身の田辺朔郎が担当した。疏水の分線を南禅寺境内に通す必要が生じたため、明治23年(1890年)にローマの水道橋を範とした13連アーチの水路橋が竣工した。全長約93メートル、幅約4メートルのレンガ造り構造は、当時の最新土木技術を駆使したものである。建設に際しては、古刹の景観を損なうとして南禅寺側から反対意見が上がったとされるが、最終的に現在の形で整備された。完成後は実用的…