退耕庵は慶長6年(1601年)に創建された東福寺の塔頭寺院。開基(創建の施主)は角倉素庵(すみのくらそあん)で、角倉了以(1554〜1614年)の父に当たる。角倉了以は江戸時代初期に大堰川(保津川)・天竜川・富士川などの河川開発・舟運整備を行った豪商・実業家として知られ、京都の水運史に重要な足跡を残した人物。
開山(初代住持)は木下勝俊(きのした かつとし、1569〜1649年)で、豊臣秀吉の正室・ねね(北政所)の甥にあたる武将・文人。関ヶ原の戦い(1600年)後に隠棲し、「若狭(わかさ)」の号で和歌を詠んだ文人としても知られる。
松尾芭蕉(1644〜1694年)は俳諧の旅の途中で退耕庵に…