善能寺は弘仁11年(820年)、弘法大師空海が八条油小路の地に開創したと伝わる真言宗泉涌寺派の寺院である。創建当初の詳細は定かでないが、真言密教の道場として法灯を継いできたとされる。中世には戦乱や社会的変動のなかで寺勢の変遷があったと考えられ、天文20年(1551年)、後奈良天皇の勅命により泉涌寺の護持院として同寺の塔頭に組み込まれ、以降は泉涌寺との関係を深めながら寺院としての体制を整えた。本尊の聖観音は洛陽三十三所観音霊場第18番札所として広く信仰を集めてきた。近代以降、境内の祥空殿に日本唯一の航空神社(航空安全を祈願する社)が設けられ、航空関係者や信者の参拝を集めるようになった。現在も泉涌…