宮崎県高千穂町の高千穂神社で行われる高千穂夜神楽は、天岩戸神話ゆかりの地で毎年11月〜翌2月にかけて各集落を巡って奉納される。33番の演目からなる神楽は夜通し行われ、神が宿ると信じられる神楽面・衣装・道具を使って神話の世界が再現される。農家の一室から神社の神楽殿まで、地域共同体が主体となる民俗神楽の最高峰として国の重要無形民俗文化財に指定されている。
島根県西部の石見地方に伝わる**石見神楽(いわみかぐら)**は、豪華な衣装と激しい動きで知られる里神楽だ。大蛇(ヤマタノオロチ)退治など日本神話の場面を劇的に演じる演目が多く、ライブ感の強い舞台形式が特徴だ。週末を中心に地域の神社や文化施設で定期的に公演が行われており、観光客も鑑賞できる。
出雲大社を中心とする出雲地方の神楽は、縁結び・農業・豊穣の神への奉納と深く結びついている。出雲地方では旧暦10月(神無月)に全国の神々が出雲に集まるという信仰があり、その時期の神楽は特に神聖とされる。
春日大社(奈良)では年間を通じて御神楽(巫女舞)が奉納されており、古代の宮廷神楽の様式を伝える希少な場だ。優雅な所作と雅楽の伴奏による巫女舞は、里神楽とは全く異なる典雅な世界を体験させてくれる。