妙円寺は元亨元年(1321年)、日蓮宗の高僧・日像上人によって松ヶ崎の地に創建されたと伝わる。日像上人は日蓮の孫弟子にあたり、京都における日蓮宗布教の中心的人物であったとされる。創建以来、松ヶ崎の地域信仰と深く結びつき、「松ヶ崎大黒天」の通称で広く親しまれてきた。室町・戦国期には洛中の戦乱に巻き込まれた可能性があるが、詳細は定かでない。近世には都七福神巡りの大黒天霊場として定着し、開運招福・商売繁盛の御利益を求める参詣者を広く集めるようになった。江戸期以降、毎年8月に行われる五山送り火において、松ヶ崎西山に「妙法」の「法」の字が点火される慣習が根付き、寺はその祭祀と深い関わりを持つとされる。明…