断夫山古墳は名古屋市熱田区に位置する東海地方最大の前方後円墳で、全長151メートルを誇る巨大な古墳である。5世紀末から6世紀初頭にかけて築造されたと考えられており、熱田神宮の近くに位置することから、その被葬者についてはヤマトタケル(日本武尊)の后であるミヤズヒメと関連した人物であるという説もある。古墳の周囲には堀が巡らされており、墳丘は三段に築成されている。出土した埴輪や副葬品から、当時の尾張地方を支配した有力豪族の墓であることが明らかになっている。現在は熱田神宮の境内に隣接する公園として整備されており、周囲の緑豊かな環境の中で古代の雰囲気を感じることができる。前方部と後円部が明確に残り、古墳時代後期の尾張における政治的中枢を担った首長の権力を今に伝える貴重な史跡である。市街地のど真ん中に位置しながらも、その壮大なスケールは訪れる人々を圧倒する。