847年(承和14年)、平安時代前期の歌人・在原業平が自ら聖観音菩薩像を刻み、草庵を結んで開基したと伝わる真言律宗の寺院。業平はこの地に「在原の杜」と呼ばれる庵を営み、晩年を過ごしたとされる。寺名「不退寺」は菩薩行の不退転に由来するとされ、「業平寺」の通称でも広く知られる。平安時代以降、業平ゆかりの聖地として文学的な信仰を集めたが、中世には衰退期を経たとみられる。鎌倉時代には南門が建立されており、この門は現在も鎌倉建築の遺構として重要文化財に指定されている。近世には真言律宗の寺院として法灯が維持された。明治期の廃仏毀釈による打撃を受けたものの、寺は存続し、本尊の聖観音菩薩立像(重要文化財)をは…