大安寺の起源は飛鳥時代にさかのぼり、推古天皇の時代(7世紀初頭)に聖徳太子が建立した熊凝精舎に始まると伝わる。その後、舒明天皇の勅願により百済大寺として整備され、天武天皇期には高市大寺、さらに大官大寺と改称しながら国家の官寺として発展した。710年の平城遷都に伴い現在地に移され、729年(天平元年)に大安寺と改称された。奈良時代の最盛期には南都七大寺の筆頭格に位置づけられ、887人の学僧を擁したとされる。唐から渡来した道璿・菩提僊那らが宿院として利用し、空海・最澄らもここで学んだ。平安遷都(794年)後は国家の庇護が薄れ次第に勢力を失い、中世には兵火や災害により大規模な伽藍の多くが失われた。近…