元興寺の前身は、蘇我馬子が596年に飛鳥(現在の奈良県明日香村)に創建した法興寺(飛鳥寺)とされる。日本最古の本格的仏教寺院であり、渡来系技術者によって建立された。710年の平城遷都に伴い、718年に現在地である平城京の左京に移転・再建され、元興寺と改称された。奈良時代には南都七大寺の一つに数えられ、興福寺・東大寺と並ぶ大伽藍を誇り、現在のならまち一帯にあたる広大な寺域を有していた。平安時代以降は次第に衰退し、中世には境内の大半が失われた。しかし、極楽坊と称される本堂と禅室は現存し、屋根には飛鳥時代から継承された古瓦が残る。本尊の智光曼荼羅は浄土信仰の原点として知られる。近世には民家や町屋が旧…