法音院は嘉暦元年(1326年)、無人如導によって泉涌寺の山内に創建された真言宗泉涌寺派の塔頭寺院である。本尊として不空羂索観音を祀り、その慈悲の力によってあらゆる衆生を救済するという信仰を今日まで伝えている。不空羂索観音を本尊とする寺院は京都においても数少なく、創建以来、独自の宗教的位置づけを保ってきたとされる。中世・近世を通じて泉涌寺山内の一坊として法灯を維持し、皇室や貴族の信仰とも縁のある泉涌寺の宗教的権威のもとで護られてきたと伝わる。近代以降も寺観を整え、洛陽三十三所観音霊場第25番札所として巡礼者の参拝を受け継いできた。また、泉涌寺七福神巡りが整備されると第4番(寿老人)の札所に加えら…