率川神社は推古天皇元年(593年)、勅命によって創建されたと伝わり、奈良市内最古の神社とされる。大神神社(三輪山)の境外摂社として、三輪山信仰の奈良における拠点的役割を担ってきた。主祭神は媛蹈韛五十鈴姫命(神武天皇の皇后)で、その父神・玉櫛媛命と母神・勢夜陀多良比売命を両脇に祀ることから「子守明神」と呼ばれ、古来より安産・育児の守護神として広く崇敬を集めてきた。毎年6月17日に斎行される三枝祭(ゆりまつり)は、笹百合の花を神前に供える古式ゆかしい祭礼であり、その起源は『日本書紀』に記されるほど古い。中世・近世を通じて奈良の市街地中心部に鎮座し続け、歴代の朝廷や地域の人々の篤い信仰を受けてきたと…