石のカラト古墳は奈良市と京都府木津川市の境に位置する古墳時代後期(7世紀後半〜末)の二段築成の円墳で、直径は上段・下段合わせると約32メートルとなる。石室は精巧な切石積みで構築された横穴式石室で、天井石も含めて巨大な花崗岩が使用されている。この時代の古墳には仏教文化の影響を受けたものが多く、石のカラト古墳も奈良時代直前という時代背景の中で築造されたと考えられる。「カラト」という名称には大陸(唐)からの渡来系の人々が関わったとも、地名由来とも様々な説が挙げられている。奈良と京都の府県境に近い位置にあることから、古代の二国間の境界に関わる人物の墳墓という見方もある。現在は国の史跡に指定されており、周辺の緑豊かな丘陵地に静かにたたずんでいる。石室内の切石の精度は非常に高く、見学した専門家たちを驚かせる出来栄えとなっており、古代石工の高度な技術水準を示す貴重な遺構だ。