嘉祥3年(850年)、伝教大師最澄作と伝わる延命地蔵菩薩を安置して創建された天台宗の寺院である。開基の詳細は不明な点が多いが、平安時代中期には歌人・在原業平(825〜880年)が晩年をこの地で過ごしたと伝わり、「なりひら寺」の通称はこれに由来する。業平は境内に「塩竈」を設け、塩を焼く風流を楽しんだとされ、その遺構が現在も残る。二条后(藤原高子)への叶わぬ思いを煙に託したという逸話は『伊勢物語』の世界と重なり、業平の供養塔や歌碑も境内に祀られている。中世以降の寺史の詳細は不明な部分が多いが、大原野の山裾に位置する閑静な環境の中で法灯を継いできたとされる。近世には現在の三方普感の庭が整備されたと伝…