養老2年(718年)、元正天皇の勅命により隆豊禅師が小塩山の中腹に創建したと伝わる天台宗の古刹である。創建当初より山岳仏教の霊地として位置づけられ、桓武天皇が延暦寺建立(788年)に先立ちこの地で祈願したと伝わり、以降は延暦寺との深い宗縁を結んだとされる。中世においては山中の立地ゆえに幾度かの兵火を免れたとも伝えられるが、詳細な記録は乏しい。近世には天台宗の法脈を守りながら西山の山岳寺院として法灯を継承し、大原野一帯の信仰の場として機能してきたとされる。近代以降も宗旨・寺格を維持しつつ現在に至り、標高約350メートルの山中に往時の伽藍を伝えている。境内からは京都盆地を一望できる地理的条件も相ま…