安楽寺は、大同5年(810年)に弘法大師空海によって創建されたと伝わる真言宗智山派の寺院である。土佐神社の別当寺として古くから神仏習合の拠点となり、土佐一ノ宮の宗教的権威を支える存在として中世を通じて栄えた。四国八十八ヶ所霊場においても、かつては第30番札所として遍路文化の重要な舞台であったとされる。しかし近世以降、霊場の札所は近隣の善楽寺へと移ったとされ、安楽寺は善楽寺の「奥の院」として位置づけられるようになった。明治初年の神仏分離令により別当寺としての機能は解体されたが、寺としての法灯は維持され、境内には歴史ある建造物が今も残る。現代においても善楽寺とともに参拝される霊場関連寺院として、土…