三室戸寺は宇治市莵道にある本山修験宗の寺院で、西国三十三所第10番札所として知られるアジサイ・ツツジ・ハスの名刹である。宝亀元年(770年)に光仁天皇の勅願により創建されたと伝わり、御本尊は千手観世音菩薩である。平安時代より「御室戸寺」と称され、皇族・貴族の信仰を集めた格式高い寺院で、源氏物語の「宇治十帖」の舞台となった地域にも近い。境内の約5,000本のアジサイは6月に見頃を迎え「あじさい寺」として有名で、7月のハス、4〜5月のツツジ・シャクナゲも見事で年間を通じた花の名所である。三重塔(重要文化財)・本堂など伽藍も整備されており、山の自然と花と歴史が融合した宇治を代表する観光寺院である。
宝亀元年(770年)、光仁天皇の勅願により創建されたと伝わる。開山の縁起によれば、宇治川上流の山中に霊光を発する観音像が出現し、それを祀ったことに始まるとされる。平安時代には「御室戸寺」と称され、皇族・貴族の篤い帰依を受けた。醍醐天皇・花山天皇ら歴代天皇の行幸・勅願が伝えられ、西国三十三所観音霊場の第10番札所として広く信仰を集めた。中世には兵火や災害により堂舎が焼失したと伝わるが、その都度復興が重ねられた。江戸時代には本山修験宗の寺院として伽藍が整備され、現存する三重塔は江戸時代の再建と伝えられ、重要文化財に指定されている。近代以降も西国巡礼の霊場として多くの参詣者を集め、境内の花木の整備も…