野宮神社の起源は平安時代初期に遡る。810年(弘仁元年)、嵯峨天皇の代に伊勢神宮へ赴く斎王が出発前に身を清めるための「野宮」が嵯峨の地に設けられたとされ、この場所が神社の起源と伝わる。斎王は数年間この地で潔斎を行ったのち伊勢へ向かったといい、神聖な禊の場として深く崇敬された。11世紀初頭、紫式部が著した『源氏物語』の「賢木」の巻には、光源氏が六条御息所を野宮に訪ねる場面が描かれており、以後この地は平安文学の聖地として広く知られるようになった。斎王制度は南北朝時代の14世紀ごろに途絶えたとされるが、野宮の旧跡はその後も信仰の場として維持された。近世以降は天照大神をはじめとする神々を祭神として縁結…