本郷稲荷神社の創建年代は明らかでないが、本郷台地の鎮守社として古くから祀られてきたと伝わる。主祭神は宇迦之御魂命で、五穀豊穣・商売繁盛の神として周辺住民の信仰を集めてきたとされる。江戸時代には本郷一帯が武家屋敷や町人地として発展し、地域の守り神として社が維持されたと考えられる。明治維新後の近代化に伴い周辺の都市構造は大きく変化したが、神社はその後も本郷台地の一角に鎮座し続けた。近代以降、神田明神・湯島聖堂をはじめとする学術・文教施設が周辺に集積したことで、受験生や学生からの学業成就祈願も新たな信仰の形として定着したとされる。現在も小社ながら都心に静かな祭祀空間を保ち、入試シーズンには合格祈願の…