瑠璃光院の地は、京都市左京区八瀬に位置し、比叡山の麓に広がる山郷として古くから知られてきた。大正時代、実業家・田中源太郎がこの地に山荘を造営し、数寄屋造りの書院建築と庭園を整備した。田中源太郎は近代日本の紡績業などで財を成した人物とされ、その別荘は建築・作庭ともに高い水準を誇ったと伝わる。昭和28年(1953年)、岐阜を本拠地とする浄土真宗の寺院・無量寿山光明寺がこの別荘を取得し、寺院「瑠璃光院」として転用・開山した。寺名は浄土真宗において阿弥陀如来の浄土を象徴する「瑠璃光」に由来するとされる。その後、瑠璃の庭・臥龍の庭・山露路の庭の三庭が整備され、苔と紅葉を主題とする庭観が確立された。201…