大龍寺が鎮座する再度山(ふたたびさん)は、弘法大師空海が唐へ渡る前の延暦年間と、帰国後の大同元年(806年)以降に再び登山したことから「再度」の名が付いたと伝わる。空海はこの山で虚空蔵求聞持法を修したとされ、山全体が空海ゆかりの霊域として記憶されてきた。大龍寺は空海にゆかりの不動明王を祀り、中世以降は神戸の港町を見守る山岳霊場として機能してきた。江戸時代中期の安永年間(1772〜1781年)に月海上人が摂津国八十八箇所を開いた際に第82番札所として指定された。昭和55年(1980年)に霊場が再興され、現在は再度公園の豊かな緑の中に伽藍を構え参拝者を迎える。