正林寺は、平安時代末期の武将・平重盛の邸宅「小松殿」の跡地に建つ浄土宗の寺院である。重盛はこの地に四十八基の灯籠を灯して日夜念仏を修したことから「灯籠大臣」と称されたと伝わる。1183年(寿永2年)、平家の都落ちにより小松殿が廃絶した後、この地は九条兼実の山荘となったとされる。兼実は法然上人をこの地に招き、自ら出家得度したと伝わり、浄土宗との深い縁を持つ場所として知られるようになった。その後、法然の教えに基づく浄土宗寺院として整備され、正林寺の名が定着したとされる。中世以降の詳細な変遷は明らかでないが、境内には重盛ゆかりの灯籠堂の跡を偲ばせる石碑が現存しており、平家の遺址としての記憶が今日まで…