渉成園は東本願寺(真宗大谷派本山)の飛地境内地として、寛永18年(1641年)に整備された池泉回遊式庭園である。徳川家光の治世に東本願寺第13世宣如が幕府から土地の寄進を受けたとされ、江戸初期を代表する文人・石川丈山が作庭を担当したと伝わる。「渉成」の名称は中国東晋の詩人・陶淵明の「帰去来の辞」の一節に由来するとされる。大きな印月池を中心に、滴翠軒・縮遠亭・漱枕居など複数の茶室・楼閣が配置され、江戸時代を通じて東本願寺の別邸的役割を担った。幕末の元治元年(1864年)には蛤御門の変に伴う大火(どんどん焼け)の影響を受け、諸建物が焼失した。その後、明治時代にかけて再建・整備が進められ、現在の庭園…