滝口寺の起源は平安時代末期にさかのぼる。『平家物語』によれば、仁安年間(1166〜1169年)ごろ、平清盛の北面の武士であった斎藤滝口時頼が、建礼門院に仕える横笛との恋を断ち切り、嵯峨野の往生院にて出家したと伝わる。この往生院の子院として、現在の滝口寺の前身が形成されたとされる。建久年間(1190年代)には寺としての体裁が整えられたと伝えられる。中世には往生院とともに衰退・荒廃の時期を経たとみられ、詳細な記録は残されていない。近世には嵯峨野の寺院群の一つとして真言宗大覚寺派の管轄下に置かれた。近代以降、明治期の廃仏毀釈の影響により一時荒廃したとされるが、その後再興され、堂内に滝口入道と横笛の木…