大沢池は嵯峨天皇(在位809〜823年)が中国・湖南省の洞庭湖を模して造営した日本最古の庭池とされ、大覚寺の前身である嵯峨院の苑池として整備された。大覚寺は876年(貞観18年)に嵯峨天皇の離宮を寺院に改めたものであり、大沢池もその境内に組み込まれた。池の中島に弁才天を祀る弁天堂が建立された時期の詳細は不明だが、大覚寺の伽藍整備に伴うものと伝わる。平安時代より大沢池は月見の名所として貴族に愛され、池に船を浮かべて月を愛でる観月の宴が催されてきた。中世・近世を通じて大覚寺は後嵯峨天皇をはじめ皇族ゆかりの門跡寺院として法灯を保ち、大沢池と弁天堂もその景観の一部として維持された。明治時代の神仏分離令…