南禅寺は亀山法皇の離宮を禅寺に改めたもので、正応4年(1291年)に創建された臨済宗の大本山である。方丈は禅寺における住持の居室兼公式の場として中心的な建物だが、南禅寺は応仁の乱(1467〜1477年)をはじめ度重なる戦火により伽藍の多くを焼失した。現存する大方丈は慶長16年(1611年)、豊臣秀頼の寄進により御所の清涼殿を移築したものとされ、国宝に指定されている。小方丈は同じく江戸時代初期に建立されたと伝わる。方丈内部の障壁画は江戸時代前期に活躍した絵師・狩野探幽によって描かれ、「水呑の虎図」をはじめとする金碧画が桃山絵画の粋を今に伝える。南庭の枯山水「虎の子渡し」の庭は江戸時代初期の大名茶…