河合神社は下鴨神社(賀茂御祖神社)の摂社であり、創建の詳細な年代は明らかでないが、下鴨神社の成立と同じく古代にさかのぼると伝わる。祭神は玉依姫命(たまよりひめのみこと)で、神武天皇の母神にあたり、古くから女性守護・美麗・縁結び・安産の神として信仰を集めてきたとされる。中世には糺の森を擁する下鴨神社の境内社として整備が進み、鎌倉時代には随筆『方丈記』を著した歌人・鴨長明がこの地と深い縁を持ち、河合神社の禰宜(ねぎ)の家系に生まれたと伝わる。境内には鴨長明が晩年を過ごした「方丈の庵」を復元した建物が設けられており、日本文学史上の重要な場所ともなっている。近世以降も下鴨神社の摂社として維持され、近代…