瑞春院は、室町時代の応永年間(1394〜1428年)に足利義満の命により創建された相国寺の塔頭寺院である。相国寺そのものは1382年(永徳2年)に義満が創建した臨済宗の大寺であり、瑞春院はその塔頭として1400年頃に成立したとされる。中世には相国寺諸塔頭のひとつとして禅僧の修行道場としての機能を果たしてきた。近世(江戸時代)には京都御所に近い立地もあり、禅林としての静寂な環境が維持された。近代に入ると、作家・水上勉が幼少期に当寺にて小僧として修行した体験が、後に自伝的小説「雁の寺」(1961年発表)として結実し、同作品の舞台モデルとして広く知られるようになった。現在も枯山水庭園や障壁画が当時の…