天性寺は、浄土宗総本山・知恩院の末寺で、本尊に阿弥陀如来を祀る寺院。正式には「曼荼羅山當麻院天性寺」と号し、その名のとおり大和・當麻寺ゆかりの寺で、阿弥陀の極楽浄土を織りなした「當麻曼荼羅」を絵解きし、人々に浄土往生を説き勧めてきた。寺町通三条を少し上がった一角に静かに門を構え、門前の町名「天性寺前町」はこの寺に由来する(隣接する矢田寺もこの町に鎮座する)。境内には鎮守神として大和・天河弁財天が分祠されており、芸能・財福の信仰を集める。春には境内の白木蓮(はくもくれん)が大きな白い花を咲かせる名所として知られ、三条・新京極の賑わいのすぐ裏手にありながら、買い物客がふと立ち寄れる都市の静寂を保っている。
天正5年(1577年)、大和・當麻寺奥院の住僧であった眼誉道三和尚によって創建されたと伝わる。當麻寺に伝わる「當麻曼荼羅」の信仰を京の地に広めることを志した寺で、正式名「曼荼羅山當麻院天性寺」にその由来が刻まれている。当初は上京の地に営まれたと伝わるが、安土桃山期、豊臣秀吉による京都改造で寺院を一帯に集めた「寺町」が形成されると、現在の寺町通三条上ルの地に移り定着した。門前一帯はやがて「天性寺前町」と呼ばれるようになり、町名として今日まで残る。江戸期には當麻曼荼羅の絵解きを通じて庶民に浄土信仰を説く寺として親しまれた。現在の堂宇は明治13年(1880年)に再建されたもので、近代の市街化を経ても…