天鷲寺は大阪市天王寺区六万体町に所在する天台宗の寺院で、天台宗は延暦25年(806年)に最澄(伝教大師)が唐より帰国後に比叡山延暦寺を開いたことに始まる。法華経を根本経典として円・密・禅・戒の四宗兼学を体系化し、平安時代には皇室・貴族の帰依を受けて一大勢力となった。比叡山は「仏教の母山」とも呼ばれ、法然・親鸞・道元・日蓮といった鎌倉仏教の祖師たちも比叡山で修学した。大坂の地には古くから天台宗の寺院が点在し、天鷲寺もその流れを受けて六万体の一角に建立された。天台の教義と伝統儀礼を守りながら、地域の人々の信仰生活を支えてきた。