金沢八景の心臓部に位置するのが琵琶島神社だ。平潟湾に細長く突き出た堤の先端、琵琶の形に似た小さな円形の島に鎮座し、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祀る。創建の由緒はそのまま鎌倉幕府の開幕史と重なる。
治承4年(1180年)、源頼朝が伊豆の三島明神を勧請して瀬戸神社を創建した際、妻の**北条政子**が琵琶湖・竹生島の弁財天をこの小島に勧請したと伝わる。海を望む小島に弁財天を祀るという選択は、竹生島をモデルにした政子の信仰心と審美眼を示している。
琵琶島神社はいくつかの名で呼ばれてきた。島の形から「琵琶島弁財天」、海辺の船が寄ることから「船寄弁財天」。そして最もよく知られるのが「立身弁財天(りっしんべんざいてん)」という呼び名だ。
御神体が立像であることと、勧請した北条政子が鎌倉幕府の尼将軍として立身出世を遂げたことにちなみ、「立身出世」の御神徳があると信じられてきた。現代も就職・昇進・試験合格を願う人々が詣でる。御朱印は本社の瀬戸神社で授与(瀬戸神社・琵琶島神社の2種、初穂料各500円)。
琵琶島神社は京急金沢八景駅から徒歩約2分という驚異的な近さにある。駅の改札を出て海方向に歩けば、すぐに平潟湾と琵琶島が視界に入る。干潟のそばを歩く堤道を渡って島に渡ることができ、小ぶりな社殿を間近に見られる。参拝後は隣接する瀬戸神社へ立ち寄り、御朱印を授与してもらうのが標準的な流れだ。